世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 両手を広げ、蓮司さんには指一本触れさせまいと朝倉さんをきつく睨む。

「やめろ、紗代」

「やめません。もううんざりなんです、本当に!」

 優しく止めてくれる蓮司さんに背を向けたまま、朝倉さんに向かって続けた。

「お父さんもお母さんも朝倉さんも、みんなそう! 私の気持ちを無視して勝手に決めないで! 私が好きなのは蓮司さん! これからもずっと、蓮司さんだけの妻でいたいの……!」

 あらん限りの声をあげて叫んだからか、息が切れてしまった。

 幸い、空き地のようで人の姿はない。

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