世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
「君は騙されてるんだよ、紗代さん!」

 まだ言うか、と頭の中でぷつんと音がした。

「騙されてるなら、こんなことしたくなりませんっ」

 くるりと振り返り、車を出て背後に立っていた蓮司さんの肩に手を添える。勢いよく背伸びをし、半ば強引に彼の唇を奪った。

 至近距離で蓮司さんが大きく目を見開く。彼がそんなふうに驚きを顔に出すのは初めて見たかもしれない。

 しっかりキスを見せつけたうえで、再び朝倉さんのほうを向く。

< 408 / 489 >

この作品をシェア

pagetop