世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 そんな私が本当に蓮司さんのそばにいてもいいのか、初めて怖くなった。



  深いネイビーのソファに沈み込み、私は蓮司さんの広い胸の中に収まっていた。

 部屋の明かりを落とすと、アロマキャンドルの炎だけがゆらゆらと揺れて幻想的だ。

 私が勤める会社で配られたサンプルである。いつ使うか悩んでいたけれど、今日はなんだかほっとしたくて火を灯してみた。

 淡いシトラスの香りに入り混じるほんの少しのスパイス。たしかな刺激を感じさせながらも、気持ちをすっと爽やかにしてくれる。

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