買われた花嫁
 どうせ彼が見たという私の写真は、両親といる時か、実家に関係した集まりに参加している時のものだろう。愛想笑いくらいはしているつもりだったけれど、やっぱりうまく笑えていなかったようだ。

「笑えと言われれば努力はします。ですが、楽しくもないのに笑うほうがおかしいかと思います」

「別に君が笑おうが笑うまいが、俺には関係ない」

 私が先にかわいげのないことを言ってしまったせいだろうか、突き放すような物言いが胸に刺さる。

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