買われた花嫁
 こうであるべき。こうでなければならない。言われたことだけやっていろ。余計なことをするな――。

 目の前にいるのが思考も感情もあるひとりの人間だと、まったく理解していなさそうな発言に、堪えようと思っていても頬が引きつる。

 もっとも彼は、私の父を遥かに超えて性格に問題があるようだけれど。

「わかりやすく言うなら、俺に愛を求めるな。俺が君を愛する日は来ない」

「……そうですか。では私もひとつよろしいですか?」

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