世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 滅多に使わないというだけだって、新品同然だ。この様子だと調理器具も似たような状況だろう。

「食事の用意をする必要はないということですね」

「そうだ。それに限らず、家事はハウスキーパーに任せておけ。君にやってもらうことは特にない」

「わかりました」

 さっきから『はい』と『わかりました』ばかり言っているように思う。これからの結婚生活もそうなるのだろう。

「君の部屋はここだ」

 廊下に戻ると、彼は閉ざされていた扉のひとつを開いた。

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