世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 見つかったら絶対に『こんなものは九条家の人間にはふさわしくない』と言われて捨てられていたから、今まで必死に隠してきた。

 親から読むよう強制された哲学書の中に挟んだり、畳んだ服の中に潜り込ませたりしていたのだけれど、これからはそんなふうにこそこそする必要もない。

 彼がなにを気にしているのか少しだけ不安になった。

 放任主義でいてくれるようだとはいえ、変に不興を買わなくてもいいだろう。

 そう判断して、手前にあった段ボール箱を開ける。

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