世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 外からはなんの音も聞こえない。

 痛いほどの沈黙とはきっとこういうことを言うのだ。

 いろいろあったようでなにもない一日だったと、今日を振り返る。

 それなのにどっと疲れを感じ、目を閉じた。

 明日からはどんな〝新婚生活〟になるのだろうと思いながら。



 予想に反して、私の新婚生活はなにも起きなかった。

 蓮司さんは社長としての仕事が忙しいようで、基本的に朝早く夜遅い生活を送っていた。

 三食をともにする時間などなく、私が目を覚ます七時半にはもういないことが多々あったほどだ。
< 95 / 489 >

この作品をシェア

pagetop