甘い夢はもう見ない〜お見合い結婚から始まる両片想いの恋〜
しばらくすると、左京のスマートフォンに電話がかかってくる。

ニューヨークの取引先の社長からで、左京は少し場所を移しながら応答した。

左京と同年代の若きやり手社長のカイルは、早くもアスペンでのパーティーの様子を小耳に挟んだらしい。

『奥さんと一緒に、今アメリカにいるんだって? ニューヨークにも来てくれよ。新しい旅館のプロジェクトも、ぜひ手伝わせてほしい』

カイルの会社は、家具のデザインから製造、そして空間全体をプロデュースするトータルインテリアソリューションとして、橘の海外のホテルも委託していた。

新しく造る旅館もカイルに手伝ってもらいたいと考えており、日を改めてコンタクトを取るつもりだったが、向こうから誘ってくれるなら好都合だ。

左京は「Hold on a sec.」とカイルに断ってから、門倉や桜子に話してみた。

「いい機会ですので、常務と奥様はこのままニューヨークに向かってください。ここの下見は、我々がしっかりやっておきますので」

門倉の言葉に頷いてから、左京は桜子にも尋ねた。

「桜子は?」
「もちろん、左京さんとご一緒に」
「じゃあ明日にでもニューヨークに行こうか」
「はい」

そして翌日、二人でニューヨークに飛んだ。
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