甘い夢はもう見ない〜お見合い結婚から始まる両片想いの恋〜
そのあとは場所を変えて、子ども服専門の大きなブランドショップに行く。

桃香ともうすぐ生まれる赤ちゃんにと、服を何着か選んだ。

「わぁ、可愛い。天使のお洋服みたいね」

真っ白なベビー服を手に優しい笑みを浮かべる桜子の横顔を、左京はじっと見つめる。

(桜子も早く子どもがほしいのだろうか)

そう思っていると、ふと桜子も真顔になった。

なにやら考えつつ、手にしたベビー服を眺めている。

「桜子? どうかしたか?」
「あ、えっと……」

桜子は、ためらいがちに小さく呟いた。

「これ、とても可愛いので、いつか生まれる私たちの赤ちゃんにも買いたいなって……」

そこまで言うと、恥ずかしそうに頬を染め、ベビー服を畳んで元に戻す。

「すみません、変なことを言って。ではお会計をして来ますね」

そそくさとレジに向かう後ろ姿を見送ると、左京は桜子が戻したばかりのベビー服を手に取った。

柔らかな肌触りのロンパースは、生後半年くらいの赤ちゃん用と書かれている。

左京はそれを持ったままレジへと向かった。

桜子はプレゼント用のラッピングを頼み、箱やリボンを選んでいる。

少し離れたレジで、左京も同じようにラッピングを頼んだ。

「荷物持つよ」
「ありがとうございます。たくさん買っちゃいましたね」

左京は桜子から受け取った紙袋で、自分が今買ったばかりの小さなプレゼントをさり気なく隠した。
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