甘い夢はもう見ない〜お見合い結婚から始まる両片想いの恋〜
愛で溢れた結婚を
翌日はメトロポリタン美術館を観てからセントラルパークを散歩し、有名なカフェで美味しいスイーツを楽しむ。

「オシャレなインテリアで、なんだか映画の世界ですね。デザートの盛り付けも美しいし」
「ああ。このカフェの内装、確かカイルがプロデュースしたんじゃないかな」
「そうなんですか? カイルさんってすごい方なんですね」
「センスが抜群にいいんだ。安心して全てを任せられる。けど、純和風の旅館はさすがのカイルも手探りだろう。日本女性の桜子が、料亭の若女将としてもアドバイスしてもらえると嬉しい」
「はい。私も色々勉強して、少しでもお役に立てるようになりたいです」

書類上の形だけの夫婦から、いつしか恋人となり、信頼出来る仕事のパートナーとしての関係も築いた二人。

もはや互いになくてはならない存在となっていた。

デートを満喫してホテルに戻ると、ドレスアップしてからタクシーでロックフェラーセンターに向かった。

プライベートスペースがある上の階へ案内され、まずはカクテルレセプションでシャンパンやカクテル、豪華なオードブルを味わう。

たくさんの華やかな装いの人たちで賑わう中、カイルが笑顔で近づいて来た。

「サクラコ、サキョウ!」

握手をして再会を喜ぶ。

だがカイルが桜子に「今夜はとってもセクシーだね」とささやくと、途端に左京は真顔で桜子の肩を抱き寄せて、カイルから引き離した。

またヤキモチか?と、カイルは両手を開いて桜子に肩をすくめてみせる。

今夜の桜子は、ラメ入りの黒いロングタイトドレスに、シャンパンゴールドのショールを合わせていた。

髪はアップでまとめて、前髪もサイドに流し、メイクもダークトーン。

更には耳元のイヤリングと胸元のネックレスが、まばゆいばかりにダイヤモンドの輝きを放っていた。

それは先程、ホテルで左京からサプライズでプレゼントされたもの。

「桜子、ちっとも自分のものを買おうとしないから、俺から贈らせて」

そう言って、指輪と同じブランドのイヤリングとネックレスを、桜子に着けてくれたのだった。

「ありがとう、左京さん。私には贅沢すぎるのに……」
「とんでもない。俺の大切な妻に、これくらいのプレゼントは当然だ。桜子、よく似合っている」

左京のその言葉は、どんなドレスやアクセサリーよりも、桜子を内面からキラキラと輝かせる。

愛されることでどんどん美しくなる桜子に、左京もまた、ますます愛を募らせていった。
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