オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ
ホームルーム中の声は遠くで響いているだけで、内容はほとんど頭に入ってこない。

——やっぱり、学校は苦手だ。

どこか居心地の悪い時間が苦しくて、私は小さくため息をついた。

あんなに親しそうに話してくれる彼女たちもきっとすぐに興味を失って、私はまたひとりぼっちになる。

勝手に壁を作っているのは、他でもなく私自身だけど。
それでも、ひとりになる未来が来るのは正直怖かった。

配られたプリントの端に、意味もなく線を引く。
ぐるぐると波みたいな形を描いて、昨日の海を思い出した。

——学校に翼がいる。

本当は、いつもの朝より、ほんの少しだけ足取りが軽かった。
あっという間にどんよりしてしまった気持ちはもう戻ってはくれないだろうけど。

翼の席は、廊下側の一番後ろにいる私とは、ちょうど正反対の、窓際の一番前にあった。

体を横に向けて、後ろの男子生徒と楽しそうに話している笑顔は、昨日よりももっと明るく見える。

友達がたくさんいそうなその姿は、昨日近いと錯覚した彼との距離を、再確認させた。

——きっと、私とは違う明るい人。

そう考えると、ふわふわ浮いていた小さな気持ちが、すとんと落ちていくのを感じた。
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