オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ

3話:三人のクラスメイト

「……あ、あの子転校生じゃない?」

転校2日目。
まだ話題の波は減らず、小さく囁かれる声に、聞こえないふりをして校門をくぐる。

「水城さん、おはよう〜」
下駄箱で靴を履き替えていると、明るい声がかけられた。

顔を上げると、昨日席を取り囲んでいた女の子たちが笑っている。

親切にしてくれているのだと思っても、派手目な彼女たちを前に、ぐっと体がこわばった。

こんなふうに身構えてしまうのは、これまでの学校でも、最初に声をかけてくれたのは、いつも一番目立つグループだったから。

そして数日たつと、その関心は別のところへ移って行って、話しかけられることもなくなってしまうのだ。

全く違う人なのだから、ひとくくりにしてはいけないと思っても、染み付いた警戒心はなかなか変えられない。

「おはよう」
控えめに返すと、彼女たちはこちらを見ていた周りの人たちを横目に、私を輪に入れる。

「今日、英語初めてだよね?英語の先生癖強いから気をつけた方がいいよ」
「あはは、あいつきもいよね〜〜」

そんなちょっと過激な豆知識を教えてもらいながら、私は控えめにグループの1番後ろを歩いた。
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