アラフォーバツイチ、花ざかり。
「えっ、マコさん知り合いですか!?」
「いや、この間ウチの見学会で会って……」
「ちょっと、運命的じゃないですか~!」

 横から興奮気味に私の腕を掴んでくる瑠利ちゃんに、違うのよと否定しようとするも、網坂さんのほうが先に口を開く。

「そういう甘い出会いだったらよかったんですけどね」
「……ええ、本当に」

 意味深な目線を寄越す彼に、私は口の端を引きつらせて返した。

 別に嫌なことをされたわけではないのに、どうしてか反発してしまう。たぶん、勝手にライバル心を持ってしまっている私がいけないんだよな。

 大人げない自分に少々反省していると、カジさんがさっぱりした声をあげる。

「なんかわかんねぇけど、とりあえず乾杯だ」
「さあ網坂さん、マコさんの隣に!」

 運命の出会いなどではないとわかったはずなのに、瑠利ちゃんが楽しそうにめちゃくちゃ促すので、私は彼女と網坂さんに挟まれる形になった。

 彼が腰を下ろす際、私の耳のそばで低く滑らかな声が囁く。

「わかってもらえましたか? 見学会には偵察しに行ったわけじゃないって」
「……はい」

 ぼそっと返すと、彼は満足げに口角を上げた。

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