アラフォーバツイチ、花ざかり。
 そうして辺りを見回していた時、見覚えのある人がいた気がして二度見した。しっかり目を凝らして、私はひっと息を呑む。

 う、嘘……網坂さんがいるんですけど!

 オフィスカジュアルな服装で、首からストラップを下げているところからして、絶対教える立場よね。あの人、こんな活動までしているの?

 呆気に取られていた私は、彼がこちらに向かって歩き出すのを見て、どうしよう!?と挙動不審になる。

 〝俺にあれこれツッコまれて悔しいから勉強しに来たのか〟とか言ってまた鼻で笑われそうだし、できれば気づかれたくない……!

 咄嗟に資料で顔を隠し、背中を丸めてコソコソと人の陰に紛れようとすると、目の前に小学校低学年くらいの男の子がいた。驚いて足を止めた私を、彼がじっと見上げている。

「おばちゃん、どーしたの? 具合わるいの?」
「お、おば……っ!?」

 私のおかしな挙動を見て心配してくれたこの子はとってもいい子だけれど、おばちゃん呼びは結構メンタルに来る。

 漫画のようにガーン!とショックを受けていると、お母さんらしき女性が慌てて男の子に注意する。

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