One year left -家族ごっこ-
どこまでも明るい木目が続く床。
そのずっと先、ドアの前に立つ碧くんの足元まで、遮るものは何もない。
広い部屋の中で、ぽつんと二人きりで取り残されたような、がらんとした空間だった。
「幸せ、か」
彼が、どこか突き放したような声で呟いた。
その含みのある言い方が引っ掛かって、逸らした視線を戻し、「なに?」と聞き返す。
「親父とあんたの母親が出会ったとき、うちはまだ離婚してなかったって知ってたか?」
唐突な質問に頭が真っ白になる。
「どういう意味?お母さんが離婚の原因だって言いたいの?」
「別に。そのときはもう別居状態で、すでに夫婦関係は破綻してたしな」
「じゃあ何が言いたいの?」
私には、お母さんを責めているようにしか聞こえなかった。
そっちの夫婦関係にお母さんは何の関係ない。
威嚇するように睨みつけた。
「……特に何も。あんたの母親の惣菜にいつも助けられてたって話」
「なにそれ」
全然腑に落ちなかった。
けれど、これ以上言い合いになるのは嫌だったから、それ以上の追及を諦めた。
そのずっと先、ドアの前に立つ碧くんの足元まで、遮るものは何もない。
広い部屋の中で、ぽつんと二人きりで取り残されたような、がらんとした空間だった。
「幸せ、か」
彼が、どこか突き放したような声で呟いた。
その含みのある言い方が引っ掛かって、逸らした視線を戻し、「なに?」と聞き返す。
「親父とあんたの母親が出会ったとき、うちはまだ離婚してなかったって知ってたか?」
唐突な質問に頭が真っ白になる。
「どういう意味?お母さんが離婚の原因だって言いたいの?」
「別に。そのときはもう別居状態で、すでに夫婦関係は破綻してたしな」
「じゃあ何が言いたいの?」
私には、お母さんを責めているようにしか聞こえなかった。
そっちの夫婦関係にお母さんは何の関係ない。
威嚇するように睨みつけた。
「……特に何も。あんたの母親の惣菜にいつも助けられてたって話」
「なにそれ」
全然腑に落ちなかった。
けれど、これ以上言い合いになるのは嫌だったから、それ以上の追及を諦めた。