One year left -家族ごっこ-
「ここが合月くんの家かぁ。結構デカいね」


夕紗が窓越しに家を見上げる。


「だよね。迷わなかった?」


「萩花が教えてくれた住所、ナビに入れたから大丈夫だったよ」


「良かった」


私がシートベルトをカチリと締めると、車が静かに動き出した。


夕紗が助手席からくるりと振り返る。


「これから買い出し行くよ!」


「楽しみ」


「萩花とこうやって遊ぶの初だよね」


「ずっとバイトばっかりだったしね」


「嬉しい!」


「私も」


弾けるような笑顔で目を輝かせた彼女が、腕を伸ばしてハイタッチを求めてきた。


「改めて、今までバイトお疲れ!」


「ありがとう」


私は笑いながら、小気味いい音を立てて手を合わせる。


「夕紗、前向いてろ。絶対酔うぞお前」


隣でハンドルを握る斗真さんが、呆れたように言った。


「はーい」


夕紗が素直に前を向く。


車はそのまま、賑やかな買い出し先へと向かって加速していった。
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