One year left -家族ごっこ-

【覚悟】

連休中の課題に追われているうちに、あっという間にバーベキュー当日を迎えた。


[もうすぐ着く]


画面に届いた夕紗からのラインを確認してから、お母さんとおじさんに、行ってきますと声をかける。


玄関を出ると、ちょうど一台のセダンが家の前に滑り込んできた。


「萩花、乗って」


助手席の窓がすうっと下がり、夕紗の顔が覗く。


「お邪魔します」


後部座席のドアを開けて乗り込むと、エアコンの涼しい風が心地よく肌をかすめた。


「久しぶり」


ハンドルを握ったまま、夕紗の彼氏がシート越しに振り返って私を見る。


「お久しぶりです、斗真(とうま)さん。相変わらず色黒ですね」


「うるせーな」


気の置けないやり取りに、車内に自然と笑い声が響く。


夕紗の彼氏はすでに社会人として働いている。


高一の時に夕紗が一目惚れした二学年上の先輩で、今も順調に交際が続いていた。
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