One year left -家族ごっこ-
斗真さんがバーベキューコンロの底に手際よく新聞紙を丸めて置き、その上へ無骨な木炭をバランスよく配置していく。


岳くんと悠生くんは、斗真さんに教えてもらいながら、新聞紙に火をつけて、うちわをパタパタと動かしていた。


炭に完全に火が着くまでには、まだ少し時間がかかる。


私たち女子メンバーは、並べられたイスに腰かけて、おしゃべりをしながら待つことにした。


「萩花、聞いた?」


隣に座った凛が、そっと私に耳打ちしてくる。


「岳くんのこと?」


私も声を潜めて聞き返した。


「うん。今日告白しようと思って」


「がんばれっ」


今日の凛はいつもより気合いを入れておしゃれをしていて、一段と可愛かった。


「緊張する……」


「大丈夫。凛ならOKもらえるよ」


「ありがと」


彼女はひとつ深く息を吸い込む。


「じゃ、岳のところに行ってくる」


小さく呟いて、私の隣から立ち上がった。


コンロの方からは、パチパチと炭の爆(は)ぜるいい音が聞こえ始めている。


火が安定してからは、みんなそれぞれ思い思いに、賑やかなバーベキューの時間を楽しんでいた。
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