One year left -家族ごっこ-
放課後になって、隣のクラスに夕紗を迎えにいく。


今日はダンススクールの日。


教室に入ると、夕紗と二人の友達が待っていてくれた。


私だけクラスが別になって、少し寂しい。


「あ、萩花きた」


切りっぱなしのボブヘアーを揺らし、切れ長の一重まぶたを和ませてそう言ったのは希歩だ。


「春休み、あっという間に終わったね」


隣では凛が、天然パーマのふわふわとしたウェーブ髪を弾ませ、クリッとした目を輝かせて手を振っている。


同じダンススクールの二人の姿に、離れてしまったクラスの距離が少し縮まる気がした。


「春休みはバタバタだったよ」


私も手を振りかえし、二人の近くの席に座った。


「ほら、萩花のお母さんがとうとう再婚して、同居始めたから」


窓際に立っていた夕紗が、手にしたポッキーの袋を小さく揺らしながら、希歩と凛に説明した。


「うらやましい〜」


「いいなぁ」


二人が碧くんのことを言ってるのが分かって、うんざりする。
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