One year left -家族ごっこ-
私は指先で、彼の衣服のボタンを外し、金属のジッパーをゆっくりと引き下げた。


衣服の隙間から、剥き出しの、狂おしい熱を孕んだ塊が姿を現す。


私はその脈動の源へと、自らの冷え切った手をそっと添えた。


「……舐めても、いい?」


見上げる視線の先、碧くんの呼吸は荒く乱れ、その瞳は蕩けるような湿り気を帯びて揺れている。


「舐めて、なにするの?」


熱に浮かされたように甘く綻(ほころ)んだ声とともに、彼の大きな掌が私の冷えた頬へとそっと添えられた。


「なにしたら、……気持ちいい?」


私はその皮膚に這わせた冷たい舌を一気に奥へと進め、深く飲み込んだ。


彼のすべてを私のなかに迎え入れた瞬間、喉の奥が引き裂かれそうなほどの、圧倒的な鼓動と熱がなだれ込んでくる。


息が詰まり、喉の粘膜が激しく震えるほどの苦しさに襲われるけれど、私は決して自らその拘束を緩めようとはしなかった。


碧くんのなかに、私という存在を二度と消えない傷跡のように深く、深く刻みつけてしまいたかった。


私の冷たさで彼の熱を汚し、二度と忘れられないほど鮮烈に、彼の意識を私という存在で満たしてしまいたかった。
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