One year left -家族ごっこ-
その誠実さに当てられて、夕紗たちは顔を見合わせて一斉に歓声を上げた。


希歩と凛が自分のことのように興奮して飛び跳ねる横で、夕紗が「ちょっと、カッコよすぎるんだけど」と楽しげに肩を揺らしている。


そんな彼女たちの大騒ぎの中心で、私は視界が歪んでいくのを止められなかった。


こんなにも真摯(しんし)に頭を下げてくれた彼が愛おしくて、熱い涙が零れ落ちそうになるのを必死に堪えていた。


「じゃ、うちらは邪魔しないように帰るね。合月くん、萩花をよろしく」


夕紗たちを見送ったあと、いつものように、自転車を漕いでくれる碧くんの後ろへと飛び乗った。


流れていく街灯の光と、広い背中をすぐ目の前に見つめながら、夜道を流れるようにして進む。


家の近くにある小さな公園が視界に入った瞬間、私は彼に向けて声をかけた。


「ねぇ、碧くん。ちょっと公園に寄っていかない?」


「うん、いいよ」


自転車を止め、私たちは敷地のなかへと足を踏み入れた。
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