One year left -家族ごっこ-
ガラリと雰囲気を変えるR&Bのミドルテンポが空間を包み込み、流れるようなビートが刻まれるなか、四人の肉体がまるで一つの生き物のように連動し、漆黒の衣装がステージのまばゆい光の渦の中で鮮明に翻った。


ルーズなカーゴパンツが洗練されたステップに合わせてしなやかにはためき、目元にのせた金色の煌めきが、華やかなターンを刻むたびに空間へと黄金の残像を焼き付けていく。


夕紗が軽やかに私の前を横切るとき、お互いの肩がかすめるほどの至近距離で呼吸を一つに合わせた。


私と夕紗、凛と希歩の四人のシルエットが、体育館の張り詰めた空気のなかで美しく完璧なダイヤモンドの形を描き、次々と陣形を書き換えていく。


観客からの地響きのような大歓声のなか、暗闇を貫いて背中に突き刺さる、碧くんの絶対的な視線を感じながら、私は今までにないほどの最高の笑顔とキレで、サビのステップを完璧に刻みきった。


音が消え、最後のポーズでピタリと動きを止めた瞬間、割れんばかりの拍手が体育館の天井を揺らした。
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