One year left -家族ごっこ-
午後、体育館の特設ステージ。
暗転のなかで位置についた私の目に、客席の少し離れた薄暗い場所から、ゆらめくような強い眼差しで自分だけを射抜いている碧くんの姿が見えた。
大混雑する客席のなかにあっても、誰よりも高いその背は、一目でそれと分かるほどの確かな気配を持ってそこにあった。
上空から降り注ぐ強烈な光がステージを一瞬にして白く染め上げ、アップテンポなトラックの重低音がスピーカーから爆音で弾けた瞬間、私たちの身体は同時に躍動を始めた。
初めて学校という公式な場所で、自分の名前を記入欄に刻んで立つ、たった一度きりのステージ。
私は全身の細胞を研ぎ澄まし、床を激しく踏み締めるスニーカーの硬質な感覚を足裏で捉えながら、音の律動をこの肉体で刻んでいく。
河川敷の橋の下で、夕紗のスマートフォンの動画を擦り切れるほど見返して磨き上げた、ターンのあとの低く深い重心。
駅前の大きな鏡の前で、汗を流しながら四人で徹底的に揃えた、一糸乱れぬ腕の角度。
そのすべての練習の成果が、今、自分の存在価値を叩きつけるように、凄まじい生命力となって私の身体から溢れ出していた。
うねるような低音に合わせて、私たちは目まぐるしく前後を入れ替え、立体的なフォーメーションを展開していく。
暗転のなかで位置についた私の目に、客席の少し離れた薄暗い場所から、ゆらめくような強い眼差しで自分だけを射抜いている碧くんの姿が見えた。
大混雑する客席のなかにあっても、誰よりも高いその背は、一目でそれと分かるほどの確かな気配を持ってそこにあった。
上空から降り注ぐ強烈な光がステージを一瞬にして白く染め上げ、アップテンポなトラックの重低音がスピーカーから爆音で弾けた瞬間、私たちの身体は同時に躍動を始めた。
初めて学校という公式な場所で、自分の名前を記入欄に刻んで立つ、たった一度きりのステージ。
私は全身の細胞を研ぎ澄まし、床を激しく踏み締めるスニーカーの硬質な感覚を足裏で捉えながら、音の律動をこの肉体で刻んでいく。
河川敷の橋の下で、夕紗のスマートフォンの動画を擦り切れるほど見返して磨き上げた、ターンのあとの低く深い重心。
駅前の大きな鏡の前で、汗を流しながら四人で徹底的に揃えた、一糸乱れぬ腕の角度。
そのすべての練習の成果が、今、自分の存在価値を叩きつけるように、凄まじい生命力となって私の身体から溢れ出していた。
うねるような低音に合わせて、私たちは目まぐるしく前後を入れ替え、立体的なフォーメーションを展開していく。