One year left -家族ごっこ-
私たちはバスロータリーへと向かう途中、駅ビルの一階にある小さなお花屋さんへと立ち寄った。
店先をいろどる鮮やかな花々の前で、お父さんのために二人で花束を選ぶ時間は、特別でくすぐったい。
「碧くんは、どのお花にしたい?」
「……この青紫と、淡いピンクの花かな」
「リンドウと小菊? 可愛い組み合わせだね。じゃあ、ここにかすみ草も混ぜたらどうかな?」
「うん、すごくいい」
そう言って優しく目を細めた碧くんは、私の代わりに店員さんへと向き直り、すっと前に出て注文を伝えてくれた。
「お墓参り用で。この三種類を花束にしてください」
「かしこまりました。それでは、一対(いっつい)でおまとめしますので、少々お時間をいただきますね」
店員さんがそう笑顔で応じ、お花を二つの束に分けるために数歩後ろの作業台へと下がっていく。
その作ってもらっている穏やかな時間のなか、お財布を出そうとすると、碧くんはそれに気づいて大きな手のひらを私の手元へそっと重ね、鞄の中へと仕舞わせてしまう。
店先をいろどる鮮やかな花々の前で、お父さんのために二人で花束を選ぶ時間は、特別でくすぐったい。
「碧くんは、どのお花にしたい?」
「……この青紫と、淡いピンクの花かな」
「リンドウと小菊? 可愛い組み合わせだね。じゃあ、ここにかすみ草も混ぜたらどうかな?」
「うん、すごくいい」
そう言って優しく目を細めた碧くんは、私の代わりに店員さんへと向き直り、すっと前に出て注文を伝えてくれた。
「お墓参り用で。この三種類を花束にしてください」
「かしこまりました。それでは、一対(いっつい)でおまとめしますので、少々お時間をいただきますね」
店員さんがそう笑顔で応じ、お花を二つの束に分けるために数歩後ろの作業台へと下がっていく。
その作ってもらっている穏やかな時間のなか、お財布を出そうとすると、碧くんはそれに気づいて大きな手のひらを私の手元へそっと重ね、鞄の中へと仕舞わせてしまう。