One year left -家族ごっこ-
その剥き出しの渇愛に心臓が甘く跳ね上がりながら、首を横に振った。


「違うよ。部屋の電気、もっと暗くできない……?」


恥ずかしくて視線を彷徨わせると、碧くんは自らの欲望をねじ伏せるように、ひどく甘い溜め息をこぼした。


彼は私の腰を片腕で軽々とすくって抱き上げ、長い脚で部屋の奥のベッドへと歩みを進めていく。


シーツの上にそっと下ろされた直後、目の前にある枕元のパネルを指差した。


「これ」


「あ、ありがとう……」


ベッドの上にちょこんと座り直して、たくさんあるツマミやボタンに戸惑いながら手を伸ばす。


「あれ? どれ……? これかな……」


どこを触ればいいのか分からず困っていると、すぐ後ろから逞しい身体がごそりと包み込むようにして覆い被さってきた。


背中に伝わる、重たい男の胸板の温もり。


「萩花……俺、もう限界……」


熱い唇が私の首元へと深く吸い寄せられ、大きな手のひらがワンピースの上から胸を包み込むようにして捕らえてきた。
< 406 / 407 >

この作品をシェア

pagetop