One year left -家族ごっこ-
桜並木を通り抜け、街の大通りに出る。


流れる景色をぼんやりと眺めていた。


「……初めて、」


強風が吹いて、碧くんの声がかき消される。


「なんか言った?」


「初めて、誰かを綺麗だと思った」


「どういうこと?」


何を言ってるのか理解できず、首をかしげる。


「あんたのダンス、綺麗だった」


ポツリと碧くんが呟いた。


碧くんに褒められて、褒められたのかも分からずに懐疑的になる。


何か意図があるのか、それとも私をおだてて何かを企んでるのかもしれない。


だから、「ありがとう」とだけ言っておいた。


それ以上、私たちは何も話さずに、サイゼリヤについた。
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