One year left -家族ごっこ-
その数日後、おじさんが出張で家を空けることになった。


私はちょうどバイトが休みで、お母さんと久しぶりに二人きりで過ごしていた。


掃除や洗濯を済ませ、夕食の準備を手伝う。


だけど、いつまで経っても碧くんが帰宅しない。


二人きりの静かな食卓を囲んで、片付けを終えて、お母さんがお風呂から上がっても、彼の気配は玄関に現れないままだった。


壁の時計に目をやると、針は二十二時半を回ろうとしている。


「今日は友達の家とかに泊まるんじゃないかな?」


私の言葉に、お母さんがどこか怯えるような視線を向けてきた。


「どうしたの?」


「もしかしたら、私たちがいるから、一人じゃ家に帰りづらいのかもしれないわね」


お母さんが力なく肩を落とす。


私の知っている碧くんは、そんな繊細な人ではない。
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