One year left -家族ごっこ-
お母さんがそこまで碧くんのことを気に病んでいたなんて、私は驚いた。


「どうして、そう思うの?」


「碧くん、食事の時しかリビングに下りてこないのよ」


「男の子なんて、自分の部屋にこもるのが普通じゃないかな?」


「でも、以前はリビングにもよくいたみたいで……」


お母さんがなにを言いたいのか、私はすぐに察した。


「私たちが、碧くんの居場所を奪っちゃったんじゃないかって、心配してるの?」


私の言葉に、お母さんが痛々しいほど小さく頷く。


知らないうちに、お母さんがそんな悩みを抱え込んでいたなんて。


同居さえすれば、全てうまくいくと思っていたのに。
< 49 / 354 >

この作品をシェア

pagetop