One year left -家族ごっこ-
戸惑う私に、碧くんが逃げ道を塞ぐようにして問いかける。


「それとも、俺の“お姉さん”になりたいの?」 


すくい上げるように優しい声で、だけど、底のない暗闇へと沈ませていくような、そんな響きをはらんでいた。


「そうだよ」


動揺を必死に抑え、うつむいたまま、震える声で答える。 


「……だから、どうしたら私の言うことを聞いてくれるの?」


思いつくのは、もうこれだけだった。


犯罪でない限り、多少の無理はするつもりだった。
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