アングレカム-Angraecum Leonis-
第二話女子トーク
学校の昼休みになる頃には既に猛暑にでもなったのではないかと疑う熱量を浴びたグラウンドから帰ってきたさくら達。更衣室で、体操服から制服に着替えながら、滝の様に流れる汗をタオルで拭く。
クーラーの効いた更衣室の中、体育の授業で浴びた熱を外へと逃すために下着姿でクーラーの風を浴びる。
「んん〜〜っ涼しい……。あぁ、生き返る……。ほんと、これが扇風機やったらうちら死んでたで」
まきがそう言いながら、クーラーの風をひたすらに浴びる。
「ほんまやなぁ〜。でもあんまりゆっくりしてるとお昼休みも終わるからぼちぼち行かなあかんなぁ」
ゆうかはそう言いながら、制服に着替える。
「あの暑さの中からこのクーラーをガンガンに効かせた部屋に来てすぐに出て行けってのはある意味鬼やよね」
「そんなん言っても、教室もクーラーガンガンやけどな」
まきはそう言いながら笑う。
「そない言うても……動きたくないんやもんな〜〜」
ゆうかはそう言い、更衣室のベンチに座りクーラーに涼む。
「わかる〜〜」
さくらはそう言い、タオルで汗を拭う。
クーラーの風が汗を通して涼しさを通り越して多少の寒さが感じて来る。
三人の談笑に割って入って来た女子がいた。彼女の名前はさつき。少し癖の掛かった髪をボブ程度まで伸ばし、先程まで後ろで束ねていたのを更衣室に戻って来て解いたらしい。
「さくちゃん、まきちゃん、ゆうかちゃん! 夏休みに花火大会あるやん? うち行きたいねんけど、三人とも行く??」
「あ、そう言えばもうそんな時期かぁ
私は行くと思うけど」
「さっちゃんも行くん?
うちはさくちゃんと行こうと思ってた」
「うん、行こっかなぁって思ってるよ。でも一人で行くのは寂しいけん、誰かと行きたいなぁって!」
「私、さっちゃんの浴衣見たい!
さっちゃん浴衣着てくるやろ?」
まきがそう言い、さつきの顔を覗く。
「勿論浴衣着て行くよ!
お母さんが用意してくれるって言ってくれてるし!」
「さっちゃんの浴衣?
それだけでさくらが花火大会に行く案件立ったんですけど」
「わかる。うちも見たい。うちも行くとなると浴衣かな。せっかくやし」
「……ゆうかちゃんの浴衣だって……」
さくらはそう言いながらまきの隣に立つ。
「……おいおい、ヨダレが垂れかけたぞ……」
「いや、まきちゃん。もう垂れてる」
「流石にキモいからやめて」
ゆうかは軽く引きながら水筒の水を飲む。
「さくちゃんもまきちゃんも浴衣で来たらええやん! みんなで着ようよ!」
「え、めっちゃいい……行こ行こ!」
まきが興奮気味にそう言う。
「みんなで花火見ながらりんご飴舐めようよ」
「うちめっちゃりんご飴好きやで〜〜」
ゆうかはそう言いながら桜の頭を撫でる。
「うちは、いちご飴も食べたい!」
「いちご飴いいよね〜〜
私、ぶどう飴好きやで」
四人はそのまま制服に着替え、談笑しながら更衣室から廊下に出て、教室に行くまでの間4人で話を盛り上げていた。
教室に着いた頃、クラスの高身長美女子の二人組、はるかとみうから声を掛けられる。
「まきちゃん達! 丁度ええとこに!
今日カラオケ行くんやけど行かへん?」
みうはそう言いながら歩くまきとさくらの間に入る。
「クラスの男子と行くんやけど、ウチらだけってのもって思ったのとみんな来てくれたら楽しいと思うの!」
はるかはゆうかの隣を歩きながら嬉しそうにそう言う。
「今日は別に予定無いからうちは別にええで〜〜」
「さくらも予定ないよ」
「クラスの男子数人か……ちょっと彼氏の日高に怒られるかも……それにまきちゃんファンクラブの人達も騒いじゃうかも?」
「彼氏? 日高?」
「まきちゃんファンクラブ?」
みうとはるかは二人して頭に疑問符を浮かべる。
「二人とも、大丈夫。安心して。いつものただの妄想やから」
「はぁ〜〜?? 妄想ちゃうし!!
ゆうかちゃんきらーい!!」
まきの返しに皆は盛大に爆笑しながら教室へと入って行く。