アングレカム-Angraecum Leonis-
第三話男子トーク
夏の猛暑の中、体育という授業を受け、めちゃくちゃな量の汗を流しながら全員で笑い合いながら授業終わりの後水道で水を浴び合う者達。彼等はDK“男子高校生”と呼ばれている。
その中の一人りゅうのすけは、グラウンド近くにある段差に座り込み、俯いていた。
そこら辺のイケメン俳優よりもカッコいい顔立ちをした彼は学校の中でもかなりの人気を有していた。
りゅうのすけに近付いた男子、せいやはりゅうのすけの肩を叩きながら声を掛けた。
短いながらセットされた髪の毛を見る限り、運動をしながら上手く髪の毛が崩れない様に動いていた事がお見受け出来る。
「おう、りゅう。大丈夫か?」
クラスメイトのせいやが、座り込むりゅうのすけに声を掛ける。
「……はぁ……はぁ……クソ……学校の後乗馬に行くんだぞ……殺す気か……」
「とりあえず暑いから更衣室行こうや」
「せいやくんヤンキーなのに優しいよね」
「っるせぇ! 俺はヤンキーちゃうわ!」
「いつもいつシメられるんだろうってドキドキしてる」
「シメへんし、ドキドキすんな」
「んふ! てか、かずきくんは?」
「かずきなら、そこで水浴びて汗流してたぞ」
「水も滴るいい男ってか? おーい、かずきくーん! 一緒にお昼ご飯食べよ〜〜!」
「あいつのさっきまでの瀕死状態どこ行ったんや……」
りゅうのすけは手を振りながらかずきという男子生徒へと近付いて行く。
黒髪短髪でキリッとした目が特徴な彼は、りゅうのすけ程ではないにしろ女子に人気がある男子の一人であった。
「……お、あぁ。りゅうくんか。ちょっと待ってや」
「大丈夫! 安心して! 俺かずきくんに焦らされるの慣れてるから!」
「俺がいつお前を焦らした……」
「うっそ〜〜!? この前の夜を忘れたの〜〜??
ねぇ、ひろあき〜〜!」
ちょうど横に居た真面目そうな雰囲気を醸し出す男子生徒、ひろあきにりゅうのすけは声を掛ける。
ひろあきは素っ頓狂な顔をしながら「へ?」とだけ言う。
「ひろあきに無茶振りしたるなや」
「かずき〜〜この前激しい夜を共に過ごした仲じゃないの〜〜」
腕と足と腰をクネクネとしながらせいやはかずきにそう言った。
「話をややこしくする為に入ってくんなや〜〜。
てかクネクネやめえや」
かずきは、笑いながらツッコミを入れる。
「三人の秘密だったのに言っちゃってごめんね!」
「いやいや、俺らなんもしてないやん……」
「ひろあきは無関係!」
「ひど!」
「ねぇ、かずき?! わたしとは遊びだったの!?」
「……なんやこのカオス空間は……」
ほどなくして4人は更衣室へと歩いて行く。今日の昼飯は何を食べるのか、帰った後は何をするのか。そんな他愛も無い話をしながら。
「あぁ〜〜あぁああ〜〜。暑い〜〜疲れたぁ〜〜」
かずきはそう言いながら、更衣室のベンチに座り込む。
「かずきくんの手作り弁当楽しみだな!」
「なんでやねん。つーか俺が手作り弁当なんか作ったらゲテモノしか出来へんぞ……」
「かずきくんの作ったモノなら俺はなんだって食べるよ……!」
「おいおい、ホモップルそろそろ閉幕してくれや」
せいやはそう言いながらタオルで汗を拭う。
「閉幕する前に開幕すらしてねえよ!
お前もさっきまでそのノリで来てたくせに!」
「はは。あ、そういやさっきクラスの女子達が夏休みの花火大会で盛り上がってたで」
「ひろあきナイス。いいやん、花火大会」
せいやはそう言いながら、制服に着替える。
「花火大会なんて暑いだけだろ。ゲームしてくるわ」
「んな事言うなよ、りゅう。ほら、女子の浴衣とか見れるやん」
「興味ねーよ」
「りゅうくん、一緒にたこ焼き食べようよ」
ひろあきは苦笑しながらりゅうのすけにそう言う。
「たこ焼き? いいね」
「コイツ、女子の浴衣よりたこ焼きに釣られるって、健全な男子高校生としてどうなんだよ」
制服のボタンを閉めながらかずきは苦笑する。
「もしかしてマジのゲイ?」
「……ないやろ」