キャリア警察官の彼は国も私も守り抜く
第一部「始動」
第1話『畠山正警部補と村上遥巡査部長』
警視庁の警察学校、そのグラウンドでは走り込みをゴールした女子学生が倒れ込む。
「はあはあ」
「誰が倒れていいと言った! プラスで腕立て伏せ!」
「(こんなの思っていたのとちがう……!)」
男社会で女性が警察官になるには血の滲むような努力をしなければならない。
サイバー捜査員として最初から最前線で活躍できると思い込んでいた村上遥はそう痛感した。
サイバー捜査員になれば採用時から巡査部長に任官され準幹部待遇のはずだったが。
「本日は警察庁を所管する大臣、畠山正晴国家公安委員長がお見えになる!教官の俺に恥をかかせるんじゃないぞ!」
……シャワーを浴び、制服に着替えを終え、眼鏡をかけた村上遥のもとに教官が歩み寄り、硬直する彼女の肩に手を置く。
「なあ、その下着規則違反じゃないのか?」
「ッ……!」
身体には確かに下着の線が微妙に透けているがいくらなんでもいちゃもんだろう。
サイバー捜査員枠で入った彼女は体育会系の鬼教官から目をつけられていた。
「別室で確かめてやる! こっちに来い!」
「いやっ、やめてください!」
教官の力は物理的にも権威的にも強く、誰も彼女を助けようとしない。
「(おねがい、だれか!)」
その時だった。
スーツ姿の人影が教官の手を捻り上げ、大外刈りで体躯を床に叩きつけた!
「セクハラ教官、規則違反はお前の方だ」
見れば、スリーピースのスーツを格好良く着こなす彼は、黒髪センター分けで、令和風の塩顔イケメンではないか。
遥は見惚れてしまった。
「な、なんだお前!!」
ようやく立ち上がった教官に、そのスーツのイケメンは警察手帳を見せた。
「警部補の畠山正です」
「警部補風情がえらそうに!」
教官は畠山正よりも上の階級だった。
「わしの愚息に何か御用かな?」
見れば、かくしゃくとした老人が歩み寄ってくる。
「は、畠山国家公安委員長!?」
その老人こそ、警察庁の上位組織たる国家公安委員会、委員長の畠山正晴大臣だった。そして畠山正は畠山正晴の一人息子であった。
「貴様にはセクハラをはじめ、数多くの訴えがある。話は警務部で聞こうか?」
国家公安委員長の裁きに教官はへたりこんだ。
「はあはあ」
「誰が倒れていいと言った! プラスで腕立て伏せ!」
「(こんなの思っていたのとちがう……!)」
男社会で女性が警察官になるには血の滲むような努力をしなければならない。
サイバー捜査員として最初から最前線で活躍できると思い込んでいた村上遥はそう痛感した。
サイバー捜査員になれば採用時から巡査部長に任官され準幹部待遇のはずだったが。
「本日は警察庁を所管する大臣、畠山正晴国家公安委員長がお見えになる!教官の俺に恥をかかせるんじゃないぞ!」
……シャワーを浴び、制服に着替えを終え、眼鏡をかけた村上遥のもとに教官が歩み寄り、硬直する彼女の肩に手を置く。
「なあ、その下着規則違反じゃないのか?」
「ッ……!」
身体には確かに下着の線が微妙に透けているがいくらなんでもいちゃもんだろう。
サイバー捜査員枠で入った彼女は体育会系の鬼教官から目をつけられていた。
「別室で確かめてやる! こっちに来い!」
「いやっ、やめてください!」
教官の力は物理的にも権威的にも強く、誰も彼女を助けようとしない。
「(おねがい、だれか!)」
その時だった。
スーツ姿の人影が教官の手を捻り上げ、大外刈りで体躯を床に叩きつけた!
「セクハラ教官、規則違反はお前の方だ」
見れば、スリーピースのスーツを格好良く着こなす彼は、黒髪センター分けで、令和風の塩顔イケメンではないか。
遥は見惚れてしまった。
「な、なんだお前!!」
ようやく立ち上がった教官に、そのスーツのイケメンは警察手帳を見せた。
「警部補の畠山正です」
「警部補風情がえらそうに!」
教官は畠山正よりも上の階級だった。
「わしの愚息に何か御用かな?」
見れば、かくしゃくとした老人が歩み寄ってくる。
「は、畠山国家公安委員長!?」
その老人こそ、警察庁の上位組織たる国家公安委員会、委員長の畠山正晴大臣だった。そして畠山正は畠山正晴の一人息子であった。
「貴様にはセクハラをはじめ、数多くの訴えがある。話は警務部で聞こうか?」
国家公安委員長の裁きに教官はへたりこんだ。
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