この恋、予定外。
私は思わず異論を唱えた。

「いや、もっと聞いてくださいよ!」

高橋さんが首をかしげてこちらを見る。
なんで?と言いたげに。

「今の感想も大事ですよ?」

「結果がすべてだ。この時点では、参考程度」

即答され、ぐっと言葉に詰まる。

「本番は夕方だろ」

「なんでそんな冷たいんですか!」

「俺に温度を求めるな」

言い合っていると、女性社員の一人がくすっと笑った。

「茉央が口で負けてる〜」

「負けてない!」

高橋さんが呆れたようにまたしてもため息をつく。

「別に勝ち負けじゃない」

「じゃあもっと興味持ってくださいよ」

「持ってる」

「そうは見えませんけど」


少し沈黙のあと、高橋さんは気だるそうな気配を残したまま女性社員の方へ視線を戻す。

「午後まで…」

声は小さいけど、たぶんこれが彼の朝の一番のボリューム。

「できれば外出て、歩いて、できるだけ普段通り。過ごしてください。以上」

今度はちゃんとした指示だった。

女性社員たちが見事なまで揃ってうなずいた。

「了解です!」

「営業行ってきます!」

「私、買い出し行こうかな」

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