この恋、予定外。
「じゃあ、方向性はこれで固めよう」
朝倉課長が資料を閉じながら言うと、会議の流れがまたひとつ先へ進んだ。
「パッケージは清潔感寄り。ただし売り場で埋もれないように、ロゴ周りでもう少しだけ印象を立てる。販促は“朝、迷わない”を軸に、時短と自然な仕上がりの両方を押す。価格は二千九百八十円。ここで異論ある人いますか」
誰もすぐには口を開かなかった。
けれど、それは反対がある沈黙ではなく、ようやく形になったものをそれぞれの立場で飲み込んでいる静けさだった。
「デザインは、今日の内容で再調整します」
最初に口を開いたのはデザイン部だった。
「パッケージ案、ロゴと色味のバランスを少し見直して、売り場での見え方込みでもう一案出します」
「マーケはコピーと展開案を詰めます」
向かいのマーケ部もすぐに続く。
「“軽い”を単体訴求にせず、生活導線の中でどう刺すかを軸にします。店頭POPも、説明しすぎない方向で組みます」
朝倉課長が小さくうなずき、今度はこちらへ向き直ってきた。
「営業は?」
その問いに、隣で瑞希さんが私に視線を送ってきた。“先に言うね”の合図だ。こちらも目配せで了解した。
「売り場での第一印象づくりを前提に、初回提案のトークを整理します。初速をつけるなら、“時短”だけじゃなくて“ちゃんと整う”まで落とし込んだ方が現場で話しやすいです」
「はい」
私も続けてうなずく。
「テスターの見せ方も工夫したいです。軽さだけだと弱いので、“手に取る理由”を売り場で分かりやすくしたいと思います」
「よし」
短くまとめるみたいに、桐山課長が口を開いた。
「じゃあ、そこまで含めて進めよう。商品としての方向性はこれで確定だな」
朝倉課長が資料を閉じながら言うと、会議の流れがまたひとつ先へ進んだ。
「パッケージは清潔感寄り。ただし売り場で埋もれないように、ロゴ周りでもう少しだけ印象を立てる。販促は“朝、迷わない”を軸に、時短と自然な仕上がりの両方を押す。価格は二千九百八十円。ここで異論ある人いますか」
誰もすぐには口を開かなかった。
けれど、それは反対がある沈黙ではなく、ようやく形になったものをそれぞれの立場で飲み込んでいる静けさだった。
「デザインは、今日の内容で再調整します」
最初に口を開いたのはデザイン部だった。
「パッケージ案、ロゴと色味のバランスを少し見直して、売り場での見え方込みでもう一案出します」
「マーケはコピーと展開案を詰めます」
向かいのマーケ部もすぐに続く。
「“軽い”を単体訴求にせず、生活導線の中でどう刺すかを軸にします。店頭POPも、説明しすぎない方向で組みます」
朝倉課長が小さくうなずき、今度はこちらへ向き直ってきた。
「営業は?」
その問いに、隣で瑞希さんが私に視線を送ってきた。“先に言うね”の合図だ。こちらも目配せで了解した。
「売り場での第一印象づくりを前提に、初回提案のトークを整理します。初速をつけるなら、“時短”だけじゃなくて“ちゃんと整う”まで落とし込んだ方が現場で話しやすいです」
「はい」
私も続けてうなずく。
「テスターの見せ方も工夫したいです。軽さだけだと弱いので、“手に取る理由”を売り場で分かりやすくしたいと思います」
「よし」
短くまとめるみたいに、桐山課長が口を開いた。
「じゃあ、そこまで含めて進めよう。商品としての方向性はこれで確定だな」