毒姫の汚名を晴らした茶妃は、龍帝に溺愛されて後宮を変える
そのとき、記憶が奔流のように押し寄せた。
茶会。
金色の茶碗。
皇帝の威厳ある横顔。
フラッシュバックが視界を塗り替える。鈴音は思わず膝をついた。
昨日の茶会。いや、この身体の記憶では昨日。華やかな宴の席で、鈴音は茶妃として皇帝に茶を献上した。
「陛下、どうぞ」
恭しく茶碗を差し出す自分。
皇帝が茶碗を手に取り、一口飲んだ。
次の瞬間。
皇帝の顔が歪んだ。苦悶の表情。茶碗が手から滑り落ち、床に砕け散る。
「陛下!」
「皇帝様!」
周囲の悲鳴。
皇帝は喉を掴み、倒れ込んだ。金色の龍袍が床に広がる。
「毒だ!」
「茶妃が皇帝を!」
指差す指。憎悪の視線。
鈴音は茫然と立ち尽くしていた。何が起きたのか理解できなかった。
現在に意識が戻る。
鈴音は荒い息を吐いた。額に冷や汗が浮かんでいる。
毒を盛った? 私が?
違う。そんなことをするはずがない。
だが、記憶は確かだった。皇帝は鈴音の淹れた茶を飲んで倒れた。それは疑いようのない事実だった。
扉が激しく開いた。
禁軍の兵士が五人、部屋に踏み込んできた。黒い鎧。抜き身の剣。殺気立った表情。
「茶妃、観念しろ!」
先頭の兵士が叫んだ。
茶会。
金色の茶碗。
皇帝の威厳ある横顔。
フラッシュバックが視界を塗り替える。鈴音は思わず膝をついた。
昨日の茶会。いや、この身体の記憶では昨日。華やかな宴の席で、鈴音は茶妃として皇帝に茶を献上した。
「陛下、どうぞ」
恭しく茶碗を差し出す自分。
皇帝が茶碗を手に取り、一口飲んだ。
次の瞬間。
皇帝の顔が歪んだ。苦悶の表情。茶碗が手から滑り落ち、床に砕け散る。
「陛下!」
「皇帝様!」
周囲の悲鳴。
皇帝は喉を掴み、倒れ込んだ。金色の龍袍が床に広がる。
「毒だ!」
「茶妃が皇帝を!」
指差す指。憎悪の視線。
鈴音は茫然と立ち尽くしていた。何が起きたのか理解できなかった。
現在に意識が戻る。
鈴音は荒い息を吐いた。額に冷や汗が浮かんでいる。
毒を盛った? 私が?
違う。そんなことをするはずがない。
だが、記憶は確かだった。皇帝は鈴音の淹れた茶を飲んで倒れた。それは疑いようのない事実だった。
扉が激しく開いた。
禁軍の兵士が五人、部屋に踏み込んできた。黒い鎧。抜き身の剣。殺気立った表情。
「茶妃、観念しろ!」
先頭の兵士が叫んだ。