冷徹宰相様の嫁探し
「税の取り立てをもっと厳しくし、国庫を潤わせろとルーベントは言うのだ。
 そうでなければ、いざというときに困ると」

 いざというときというのは、飢饉や戦争のときのことだろう。

 まあ、一理あるが、と思いながらも、マレーヌは言った。

「豊かで勢いのある国というのは、民が豊かである国です。

 どんなに国が貧しいときでも、飢饉のときでも、王室と貴族たちだけは潤っています。

 だから、外から見た時、その国が富んだ国かどうか、強い国かどうかは、民たちが豊かかどうかで判断されると思います。

 それに、民たちが豊かで、勢いある国こそが発展性のある国だと思います。

 他国から安易に攻め入られないためには、民たちが豊かで楽しく余裕のある暮らしをしていなければ駄目だと思いますが」

 王様もアルベルトも黙っている。

 はっ、余計なことを言ってしまったっ、とマレーヌは焦った。

 偉そうに語ってしまったけど。
 実は単に、街の活気がなくなると、美味しいものがなくなるので嫌だとか。

 街の食堂で陽気に話しかけてくる人たちと過ごす時間が持てなくなるのが嫌だとか。

 そんなしょうもない理由からだったのだが。

「うむ」
と王様は深く頷いた。
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