冷徹宰相様の嫁探し
「なるほど。
 美しく野心がないだけではないらしい。

 なかなか賢い娘だ。

 民を(ないがし)ろにして、おのれだけ贅沢をしたりもしそうにない。

 アルベルトよ。
 良い娘を選んでくれた。

 この娘は、よくエヴァンを支え、共に国を繁栄させてくれる良い王妃となるだろう」

 エヴァンの正妃にふさわしい、と言われてしまう。

「はっ、ありがたき幸せ」
と礼をするアルベルトとともにお辞儀をしながら、マレーヌは思っていた。

 失敗した~っ。
 王様に気に入られてどうするっ。

 王様が革新的で立派な方なのもこんなときには困りものだ、と思ってしまった。

「『でしゃばるな、小娘がっ』とか罵って欲しかったです~」
と王様たちが去ったあと呟いて、アルベルトに、

「心配せずとも、王様がご不快な顔をされていたら、私が先に罵っておったわ」
と呆れたように言われる。

 いえ、むしろ、あなたには罵って欲しいのですけどね、とマレーヌは内心思っていたのだが。





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