冷徹宰相様の嫁探し
 でもまあ、そんな風に臣下と普通の学友のように、ざっくばらんな関係を築ける王子だから、みんなに愛されてるんだよな、とも思っていた。

「そういえば、君はまだ学園に通っているんだよね?
 お姉さんは、食堂で売っている、野菜のたっぷり入った蒸し鶏の焼きサンドが好きだから。

 たまには買って帰ってやるといい」

 学園で人気のあれですか……。

 なんか今、ちょっと買ってこい、と姉に命じられている王子が頭に浮かびましたよ。

 きっと、あれ買ってこい、と直接に言わずに、

「あれおいしいですよね」
「食べたくないですか? 王子」
と一応、相手は王子なので、遠回しに言っていたのだろう。

 王子は身の回りの世話をする従者を学園には連れていっていなかったと聞いている。

 ちゃんとみなに混ざって普通の学生のように過ごせるように。

 自ら混雑に突進し、蒸し鶏のサンドを二人前買いに行く、人の良い王子の姿が頭に浮かんだ。

「なんか、ほんっとうにすみませんっ」
とマレーヌは青ざめながら、謝った。





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