冷徹宰相様の嫁探し
 


 さりげなくと言われても、と思ったマテオは、さりげなさの欠片もなく、
「マレーヌ様に脅迫状が来ました」
とあっさりバッサリ、アルベルトに伝え、すぐにアルベルトがやってきた。

 居間でマレーヌに脅迫状を見せられたアルベルトは渋い顔をしている。

 父が誰かに書かせたらしき渾身の(?)脅迫状をテーブルに投げて言う。

「お前が王子の嫁になることで、なんらかの利益を得る一派からのものだろうかな」

 ユイブルグ公爵家一派ですかね。

「……で、何故、私が殺されねばならぬのかはわからぬが」

 私がお前を王子に薦めたからだろうかな、と仕事と違い、恋愛には疎い、宰相様は呟く。

「だがまあ、今回の件はともかく。
 確かに。お前が妃になるということが広まれば、それを快く思わぬ連中から狙われる可能性があるな」

 少し申し訳ない気もする、と言うアルベルトに、マレーヌは身を乗り出し言った。

「では、この話は破談ということで」

「破談もなにもまだ婚約もしてないだろう」

 そう溜息をつき、アルベルトは立ち上がる。

「よし、さっさと婚約し、婚儀を早めよう」

 ひっ。
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