秘書ですがエリート社長に溺愛されています
社長室には、静かな空気が流れていた。

玲司は資料を閉じると、私を見上げた。

「問題ないな」

「はい。すべて確認済みです」

そう答えると、玲司は小さく頷いた。

それから、ふと視線を和らげる。

「……さすがだな」

「え?」

「お前がいると助かる」

低く、落ち着いた声だった。

それだけなのに――

胸の奥が、きゅっと締め付けられる。

「社長……」

私は言葉に詰まった。

秘書として褒められることは、もちろん嬉しい。

でも。この人に言われると、意味が違って聞こえてしまう。

まるで――自分が特別な存在のように思えてしまうから。

そんなわけ、ないのに。

「どうした」

玲司が不思議そうに私を見る。
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