秘書ですがエリート社長に溺愛されています
「取引先の会社の人らしいの。三十代前半で、かなりのエリートらしいよ」

私は呆然と立ち尽くした。

見合い。そんな話、突然すぎる。

「断ってもいいと思うけど、一応聞いてみてって」

田村さんはそう言って肩をすくめた。

「まあ、水瀬さんならすぐ相手見つかるよね」

私はうまく返事ができなかった。

頭の中に浮かんだのは、たった一人の顔だった。

神崎玲司。

でも。そんなこと、ありえない。

だからこそ、余計に胸が苦しくなる。

「とりあえず、考えてみて」

田村さんはそう言ってデスクに戻っていった。

私は少しだけ深呼吸してから、社長室のドアをノックする。

「失礼します」

中に入ると、玲司がこちらを見た。
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