秘書ですがエリート社長に溺愛されています
「どうした」

「いえ……」

言うつもりはなかった。

けれど、玲司の視線は鋭い。

「何かあったな」

その一言で、隠せなくなった。

「実は……」

私は小さく息を吸う。

「見合いの話が来たそうです」

その瞬間だった。

玲司の動きが止まる。

書類を持っていた手が、わずかに止まった。

「……見合い?」

低い声。

「はい。総務経由で……」

そこまで言ったときだった。

玲司が立ち上がる。

椅子が静かに動く。

気づけば、距離が近づいていた。

「受けるのか」

「え?」

「その見合いだ」

玲司の声は低い。

けれど、どこか強い。

「まだ、分かりません」

私は戸惑いながら答えた。

「そういう年齢ですし……」
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