人形姫と秘密のお役目 -1-
 ぎち、と音を立てるように指が食い込み、逃げ場はないとでも言うように絡みついてくる。

 触れられた場所から、じわじわと体温が奪われていく。


「……っ」


 息が詰まり、肺がうまく動かない。

 そのまま力が抜けていき、膝が崩れてその場に落ちた。

 意識がかすかに遠ざかっていく。


(だめ、重傷者を手当てしなきゃ……)


 そう思った、そのときだった。

 腕の中の人形が、動く。

 自らの意思を持つかのように私の手を離れ、前へと進み、ゆらりと立ち上がる。

 指示をしていないのに、確かに立っている。

 そして、私が持っていた札を引き抜くと、私の額へと貼り付けた。

 ぱち、と音が弾けると同時に、何かが断ち切られるような感覚が走る。

 視界が暗転し、私の体を支えるものは何もない。

 そのまま、静かに闇へと沈んでいった。

 人形は、私の動きをなぞるようにその場に倒れる。
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