人形姫と秘密のお役目 -1-
友達
──キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った瞬間、教室の空気が一気に緩んでいくのが分かった。
張りつめていた静けさがほどけるように、あちこちで椅子を引く音や机に寄りかかる気配が重なり、さっきまでとはまるで別の場所のようなざわめきが広がっていく。
私はそのまま席に座ったまま、人形を抱え直した。
腕の中に収まる柔らかな感触と、わずかに感じる重み。そのどちらも、ここ数日で何度も確かめたはずなのに、無意識のうちにまた確かめるように、指先に少しだけ力が入る。
問題はない。形も、感触も、繋がりも。今はすべて、元通りのはずだった。
それでも、周囲から向けられる視線だけは、どうしても避けられない。
ちらり、と向けられては逸らされる気配。遠慮がちな好奇心と、少しの戸惑いが混じったような空気。
「……人形?」
「ずっと持ってるよね、あれ」
ひそひそと交わされる声が、断片的に耳に届く。
チャイムが鳴った瞬間、教室の空気が一気に緩んでいくのが分かった。
張りつめていた静けさがほどけるように、あちこちで椅子を引く音や机に寄りかかる気配が重なり、さっきまでとはまるで別の場所のようなざわめきが広がっていく。
私はそのまま席に座ったまま、人形を抱え直した。
腕の中に収まる柔らかな感触と、わずかに感じる重み。そのどちらも、ここ数日で何度も確かめたはずなのに、無意識のうちにまた確かめるように、指先に少しだけ力が入る。
問題はない。形も、感触も、繋がりも。今はすべて、元通りのはずだった。
それでも、周囲から向けられる視線だけは、どうしても避けられない。
ちらり、と向けられては逸らされる気配。遠慮がちな好奇心と、少しの戸惑いが混じったような空気。
「……人形?」
「ずっと持ってるよね、あれ」
ひそひそと交わされる声が、断片的に耳に届く。