夏恋セッション
上擦った声で凪は言い合える。恥ずかしさからその場から立ち去りたくなった。しかし、向日葵はニコリと笑う。

「いいよ。花火大会、一緒に行こっか」

凪は心の中で「よっしゃあ!!」と叫び声を上げながら、向日葵に「待ち合わせ場所、どうしようか?」と話しかけた。

凪は自分から誘っておいて、向日葵と花火大会に行くなど夢だったのではないかと思った。しかし、自室のカレンダーにはきちんと「唐沢さんと花火大会」とメモされており、終業式の後、向日葵から呼び止められた。

「明日、よろしくね」

「う、うん!こちらこそよろしく!」

向日葵が笑う。どこか妖艶なその笑みに、凪は花火大会デートが夢ではないのだと改めて思った。

(俺、よく唐沢さんのこと誘ったな。めっちゃ勇気出したじゃん)

あの日の自分を精一杯褒め、浮き足だったまま夜を過ごした。



花火大会当日。凪はいつもより時間をかけて服を選び、待ち合わせ場所である神社の前で向日葵を待っていた。胸が高鳴っていく。
< 3 / 9 >

この作品をシェア

pagetop