夏恋セッション
過去を思い返し、凪は拳を握り締める。高校ではそれなりに友達がいる凪だが、小学校や中学校では内気な性格のため、友達がいない寂しい日々を送っていた。高校では青春を楽しもうと変わろうと頑張っている。

(好きな子をデートに誘うなんて、中学とかじゃできなかった。でも、今ならいける!)

自分を鼓舞し、凪は向日葵の方へと近付く。向日葵はクラスでも目立つ美人だ。夏休みの予定は全て他の人で埋まっているかもしれない。しかし、花火大会だけでも凪は一緒に行きたいと春から考えていた。

「あの、唐沢さん!ちょっといいかな?」

向日葵が友達と話し合え、廊下に出てくるのを待って凪は声をかけた。向日葵が不思議そうに凪を見つめる。

「榎本くん。どうしたの?」

向日葵の大きな目に、白い肌に、膨らんだ胸に、細すぎず太すぎない足に、凪は心臓が止まってしまいそうになる。顔中に熱が集まる中、凪は震える唇を動かした。

「あ、あのさ!今度ある花火大会、一緒に行かない?」
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