幼なじみの凪が今日も全然凪いでない

海風

「わっ。前髪が目にかかって前が見えません。」
今は、高校のビーチクリーンアップのボランティアの最中。長い前髪をとめていたヘアピンが落ちてきてパニックになっているのが小波 凪(さざなみ なぎ)。
「おい。凪。こっち向いて。」
「航さんの声がする。けど、どこにいるのか見えません…。」
「分かった。そっち行ってやるから止まってろ。」
そう言って凪の方に行ったのは海野 航(うんの わたる)。航と凪は家が隣同士で、幼なじみである。
航はおっちょこちょいで天然な凪にいつも振り回されている。
航は凪の前髪を慣れた手付きでヘアピンでまとめた。
「航さんが見えました!」
凪がパァッと笑顔になった。嬉しそうな凪を見て、航は可愛いなと思っていた。いつからか航は凪のことを恋愛対象として意識するようになっていた。小さい頃から隣にいたけど、これからもずっと隣にいてあげたいと思っている。凪は航のことをどう思っているのか分からないが…。
「こんなところに、綺麗な宝物があります!」
凪が何かを見つけたらしい。それは綺麗な貝殻…ではなくガラスの破片!?それを拾おうと手を伸ばした凪を見た航は、反射的に凪の腕をつかんだ。
「わっ、航さん!」
拾えなくて少しムッとした凪が言う。
「これ、ガラスの破片!危ないよ。」
「ほっ、本当だ!危なかったぁ。」
びっくりしたことが表情に表れすぎている凪を見て、航はまた、可愛いなぁと思った。
「凪が怪我しなくてよかった。気をつけろよ。」
「はい!」
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