『薫櫻日和 ―私たちの春夏秋冬―』

第10話『放課後の反省会と次なる挑戦』』


ライブが終わったその日の放課後、軽音部の部室にはまだ興奮と熱気が残っていた。
「美紀、今日のライブ、どうだった?」
結が譜面を片手に、真剣な顔で聞いてくる。
「うーん…楽しかったけど、私…ちょっとミスが多かったかな」
「いやいや、そんなことないって!あの弦のハプニングも、逆にかわいかったよ」
結の言葉に思わず笑う。
「でも、次はもっと完璧にしたいな…」
「そうだね、美紀。次なる挑戦ってやつ?」
結の目がキラキラと光る。
翔先輩も譜面台の前で腕を組む。
「二人とも、今日はよく頑張った。でも、やっぱり改善点はあるな」
「え…どこですか?」
「リズムの微妙なズレと、ソロのタイミングだな」
「うーん…なるほど」
「私たち、次はどうしたらいいんだろう…?」
結が小さく首を傾げる。
「まずは毎日少しずつ練習だな。それと、二人でペア練習するともっと息が合う」
「はい、頑張ります!」
「よーし、美紀も結も、これからもっとすごいステージを目指そうな!」
翔先輩の熱意に、私たちの胸も熱くなる。
「ねぇ、美紀、次の曲って何にしようか?」
結がノートを取り出し、アイデアを並べ始める。
「私は…ちょっとカッコいい系もやってみたいな」
「えー、私もやりたい!でも可愛い系も残したいな」
二人で譲らずに意見を出し合う。
「じゃあ、二人のいいとこ取りでアレンジしよう!」
「うん、それいいね!」
「よし、決まり!」
笑いながら意見がまとまり、放課後の部室は楽しさと未来への期待でいっぱいになる。
その後、結が少し真剣な顔で私を見つめる。
「美紀、翔先輩のこと、どう思う?」
「え…そ、それは…」
「だって、昨日も今日もドキドキしたじゃん」
結の鋭いツッコミに、思わず顔が真っ赤になる。
「う、うん…好き…かな」
「やっぱりね!」
結が嬉しそうに笑い、私も自然と笑顔になる。
部室を出る頃、夕陽が窓に差し込み、校庭の桜の木が赤く染まる。
「美紀、明日からももっと頑張ろうね!」
「うん、結と一緒なら絶対できる」
友情と恋、挑戦と成長――すべてが胸に渦巻き、私たちは次なるステージに向けて歩き出す。
放課後の反省会は、ただの反省じゃなくて、未来への大きな一歩だった――。
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