『薫櫻日和 ―私たちの春夏秋冬―』
第5話『体育祭の熱狂とドキドキ告白』
「美紀、準備は大丈夫?」
朝、教室で結が元気に声をかけてくる。窓の外には真っ青な空と太陽が輝き、体育祭日和の朝だった。
「うん、バッチリ…かな」
少し緊張しながらも、私は笑顔を作る。運動が得意な方ではないけれど、友達と一緒なら頑張れる気がした。
校庭に出ると、各クラスの団体演技や応援の練習で賑わっている。赤、青、黄、緑――色とりどりの旗が風に揺れる。
「わぁ…すごい熱気!」
結の声が弾む。私も思わず胸が高鳴る。
その時、翔先輩が近づいてきた。
「美紀、応援団の一員として一緒に頑張ろう!」
「え、応援団…私、できるかな…」
「大丈夫、みんなで盛り上げれば大成功さ!」
その笑顔に、少し勇気をもらう。
午前の競技が始まると、私はリレーに参加。バトンを受け取る瞬間、心臓が飛び出しそうだった。
「行くぞ、美紀!」
結の声が背中を押す。
走り出すと、風が顔に当たり、全身の力が抜ける。前を走る翔先輩の姿が少しだけ遠く感じる。
「負けない…!」
バトンをつなぎ、何とかゴール。クラスメイトの歓声が耳に響き、達成感と同時に、少し恥ずかしいくらい胸がドキドキした。
午後、応援団として校庭中央に立つと、翔先輩が私の隣に立っていた。
「美紀、今日…ちょっと言いたいことがあるんだ」
心臓が跳ねる。
「え…?」
翔先輩は少し赤くなりながら、私の手をぎゅっと握る。
「俺…美紀のこと、ずっと前から気になってた。友達としてじゃなくて、特別な存在として」
「え…そ、それって…」
思わず顔が真っ赤になる。結といる時とは違うドキドキが胸に広がる。
「う、うん…私も…少し前から…」
言葉を探しながら、素直な気持ちを伝える。
翔先輩は嬉しそうに微笑み、肩を軽く叩く。
「よかった…俺もこれから、一緒に色んなこと楽しもうな」
夕方、校庭に落ちる夕陽の中で、桜吹雪が舞う。友達の笑顔、ライバルとの競技、そして初めての甘い告白。美紀の胸は、友情と恋でいっぱいだった。
「結、今日は本当に楽しかったね」
「うん、美紀と一緒だから、全部が楽しい!」
二人の笑顔が夕陽に溶けて、まるで時間がゆっくり流れるみたいだった。
新しい挑戦も、友情も、恋も――すべてが美紀の青春のページに刻まれていく。